やいまCDブックシリーズ
完売した書籍「八重山の戦争 」が電子版(PDF)にて復活!
もうひとつの沖縄戦。八重山諸島の戦争の全貌。
日本軍、強制避難命令、そしてマラリア地獄…。
第一部では白水をはじめ、忘れてはならない八重山の戦跡を地図入りで紹介。第二部ではマラリア有病地への強制疎開など、戦争の悲劇と背景を検証。第三部では戦没者名簿などの八重山の戦争関連データを収録。
当商品はCD-Rです。あらかじめご了承ください。
コンテンツ
第一部 戦跡に立つ
八重守之塔
◎バンナ岳入り口に祀られた1670人余りの戦没者
宮田部隊慰霊碑「忠魂」
◎香川県丸亀市で編成された寄せ集め部隊
独立歩兵300大隊慰霊碑「鎮魂」
◎戦死者4人、マラリアによる病死者36人
石垣島海軍警備隊聖観音碑
◎石垣島事件の井上大佐の妻が建立
石垣村忠魂碑
◎在郷軍人会が中心になって石垣小学校内に建立
石垣小学校近くの慰安所
◎空襲の時に軍の防空壕に入れてもらえなかった慰安婦たち
陸海軍戦没者合葬碑
◎八重山戦では兵士も戦闘よりマラリアで死亡した者が多い
海軍南飛行場
◎「危険な作業は朝鮮人労働者」の飛行場建設
海軍南飛行場周辺の部隊
◎大浜国民学校校舎は生徒を追い出して厳部隊が使用
サンニ(山根)の慰安所
◎赤瓦が散乱する慰安所跡
大浜周辺の軍事施設
◎米軍の上陸を予想して多くの陣地や壕が築かれた宮良湾沿岸
第三三震洋隊
◎刀を抜いて「宮良村を焼き払う」と脅した幕田隊長
第三八震洋隊
◎小浜島から宮良へ、石垣島事件には加わらず
みのかさ部隊
◎武器の代わりにスコップ、モッコを担いでめざましい活躍をした特設警備工兵隊
観音埼台下の銃眼
◎灯台下の自然洞窟に寝起きして米軍の上陸に備えた部隊
白水仮埋葬地
◎コモにくるまれて埋葬されたマラリア罹患者の遺体
ヘーギナー飛行場(海軍北飛行場)
◎対角線で離着陸した四角い飛行場
平喜名の壕
◎当時の苦労がしのばれる巨大な壕
暁之塔
◎マラリアにかかり16歳の若さで死んだ従軍看護婦
独立歩兵第二九八大隊の慰霊碑「鎮」
◎「海碧き南国ここ八重山の地に万斛の涙をのんで散華した…」
独立歩兵第三〇一大隊(阿部隊)
◎魚雷攻撃で遭難し、陸ではマラリアが追い討ち
平和の塔
◎朝鮮人が岩盤を堀り、住民が土石を運び出した格納庫構築
川平震洋隊基地
◎川平湾の奥深く、米英軍の目を避けながら突入訓練
ババハル埋葬地
◎慰安婦の埋葬地に揺れるセンダン草
川平の陸海軍
◎住民には横暴、軍隊内ではリンチ殺人の海軍
白水
◎マラリア地獄を見つめた山の谷間
御真影壕
◎人命より尊いものとされた天皇・皇后の写真
白水戦争MAP
八重山神社
◎精神的支柱として? 於茂登岳に建てられた神社
大浜村住民の避難地
◎「終戦があと1ヶ月遅れていたら…全住民は死亡しであろう」
伊原間住民の避難地
◎避難道具を背負って道なき道を強制避難させられる
平久保住民の避難地
◎「住民が1人でも捕虜になると大変」
星野周辺の壕
◎戦闘もなく、餓えとマラリアで死亡した兵たち
伊原間通信隊
◎陸軍中野学校卒の離島残置諜者班
伊原間駐屯地の部隊
◎爆弾で学校など家屋五軒消失
海軍特設見張所
◎米軍はすでに軍事施設の場所を知っていた
大石隊戦没者慰霊之塔
◎竹富島は米軍の石垣島攻略の前進拠点
小浜島の慰安所
◎学校の床板をはぎとって作られた慰安所
アールムティの震洋艇格納壕
◎奴隷のようにこき使われた朝鮮軍属
黒島の戦争
◎「この島に米軍が上陸したら石垣島から砲撃する。避難しないで死んでも知らんぞ」
屠殺場となった伊古の海岸
◎軍事司令部の食料となり、ほぼ全滅した黒島の牛
鳩間島の「慰霊之碑」
◎激しい空襲で対岸の西表島に強制疎開
新城島の戦争
忘勿石の碑
◎マラリアの悲惨! 識名信升が岩に刻んだ「忘勿石」
護郷隊
◎米軍が上陸したら村に火を放ちゲリラ戦を展開
白浜の慰安所
◎下永部隊長と「司令官の奥さん」
船浮要塞
◎南方から資源を運ぶ艦船の守備が、戦局の悪化で司令部解消
船浮陸軍病院
◎内離島→石垣国民学校→於茂登岳と転々
内離島の慰安所
◎慰安所を経営していたのは軍か? 業者か?
船浮集落
◎要塞法を適用して全住民を強制撤去させる
学童慰安碑
◎星になった子どもたち…
波照間の戦争
◎人命を救ってくれた蘇鉄
与那国の戦争
◎台湾航路の重要な位置、爆撃も激しかった
第二部 八重山の戦争
八重山列島防衛作戦と住民の避難
◎一九四五年、八重山郡島いおいて3674人がマラリアで死亡した
特設警備隊
波照間の悲劇
◎残置工作員・酒井軍曹に抜刀、威嚇され西表島南風見田に強制疎開…そこはマラリアの巣窟だった
台湾疎開
◎危険な海を越えて疎開。マラリア、空襲、食糧難で異郷の地をさまよう
台湾疎開地図
尖閣列島避難事件
◎台湾疎開の途中、米軍機の攻撃を受け尖閣諸島に漂着した人たちの50日
戦争と学徒たち
◎「生き残ったら伝えて欲しい。戦争は非情なものだ。どんなに勉強したくてもできない…戦争のない時代に生まれたかった…」
旅団本部
◎六月来作戦ノ要求ニヨリ石垣島北部山岳地帯陣地ニ移駐スルニ及ビ軍民共ニ「マラリア」ノ爆発性流行ヲ来セリ
石垣島海軍警備隊本部
◎住民を蔑視しスパイ視して横暴を極めた海軍
石垣島事件
◎米軍捕虜3人を虐殺。横浜裁判で46人が戦犯として起訴され、井上司令官ほか6人が処刑された
陸軍の捕虜
◎陸軍に捕らえられたために生きのびることができた英軍捕虜
安東丸事件
◎漂着した安東丸の乗組員を強制労働で酷使し、廃村に置き去りにした日本軍
米軍レポート「先島群島概略」と先島攻撃
◎米軍の沖縄進攻に、極東での勝利を必要としていた英軍が先島攻撃で参加
エッセイ&コラム
・地の底からの叫び
・慰霊の日
・戦争体験の継承
・命を救ったキナの木
・先島攻撃を担当した英軍
第三部 資料編
・平和礎戦没者名簿刻銘
・旅団名簿
・海軍名簿
・陸軍武官官等表
・海軍武官官等表
・八重山戦争関係年表
・登野城字会文書綴り
・データ
メモ
・南方同胞援護会
・軍隊の文字符号
・従軍慰安婦
・奉安殿
・沖縄県立八重山高等女学校
・朝鮮人軍夫
・石灰岩と銃岩
・海軍の特攻兵器
・アワユキセンダングサ
・戦争と神道
・ウンヌヤーの伝説
・教育勅語
・鳩間国民学校長・宇江城正喜殉職
・憲兵
・日本最南端の平和の碑
著者
大田 静男(おおた しずお)
1948年沖縄県石垣市生まれ。地元紙・業界紙記者を経て石垣市立図書館開館準備室で郷土資料を担当。石垣市立八重山博物館勤務をへて石垣市教育委員会文化課長を2008年退職。八重山諸島の戦史・戦後史・芸能史・ハンセン病史を調べ、『八重山の芸能』(ひるぎ社)で沖縄タイムス出版文化賞、『八重山の戦争』(南山舎)で同賞と日本地名研究所風土研究賞を受賞。著書に『夕凪(ゆーどぅりぃ)の島──八重山歴史文化誌』(みすず書房)、『八重山戦後史』(ひるぎ社)、八重山の抒情歌を描きだした『とぅばらーまの世界』(南山舎)など。2012年、八重山毎日新聞社の八重山毎日文化賞を受賞した。
石垣市文化財審議委員、とぅばらーま大会作詞の部審査委員、「沖縄県立図書館八重山分館廃止に反対し、存続を求める会」共同代表。1992年の創刊以来、月刊誌『やいま』(南山舎)で「壺中天地」を連載中。
日本地名研究所風土研究賞受賞
沖縄タイムス出版文化賞正賞受賞