八重山のマラリア根絶に尽力した防疫監吏・黒島直規氏の半生を描いたドキュメント
マラリア根絶にその一生を捧げた防疫監吏・黒島直規氏の足跡を中心に、八重山のマラリア撲滅に挑戦した人々の軌跡を描いたノンフィクション・ノベル。
プロローグ………………8
第一章 ヤキーの島で
防疫監吏・黒島直規の誕生 16
転機の年 19
マラリア蚊の巣窟・川平に赴任 22
西表出張所へ転勤 27
『南島探験』を読む 30
国会で初の建議 34
マラリア罹患体験 39
新婚生活 45
第二章 防遏へのたたかい
ボウフラとタップミノー 48
啓発・宣伝活動 53
戦時体制へ 59
避難先はマラリア有病地帯 66
マラリア地獄への序章 72
波照間島民の悲劇 79
忘るなかれ、戦争マラリア 85
第三章 戦後のたたかい
住民自治によるマラリア対策 90
米軍政下のマラリア対策 94
大濱信賢医師が蚊の新種発見 97
「マラリア取締規則」と撲滅税 100
稲や豚にDDT被害 108
撲滅の日は近い? 114
終息への切り札──ウィーラー・プラン 119
第四章 ついにマラリア皆滅!
患者ゼロの歴史的報告 134
WHO調査団の評価 138
終息宣言への遠い道程 143
「ヤキーの島」 汚名返上大会 144
エピローグ………………149
【付録】文献に見るマラリア
一、史書に現われるマラリア
『慶来慶田城由来記』 154
杜甫の漢詩 156
田代安定『沖縄縣下先島巡覧日記』 157
『石垣市史』 159
岡本太郎『沖縄文化論』 162
ダンテ『神曲』 165
ゲーテ『ファウスト』 165
『医心方』『義経記』『十六夜日記』 167
『明月記』『玉葉』『大鏡』 168
大岡昇平『俘虜記』 168
石川達三『蒼氓』 169
二、民謡にうたわれたマラリア
強制移住にまつわる悲歌 171
「崎山節」
「ちんだら節」
「川良山節」
南風原 英育(はいばら えいいく)
1924年登野城生まれ。戦後、地元紙「海南時報」記者を振り出しに、「沖縄タイムス」の八重山支局長、東京支社長などを歴任。著書に「南の島の新聞人――資料にみるその変遷」(ひるぎ社88年刊)などあり。小説が新潮新人賞やオール読物新人賞の予選通過も。
マラリア制圧のために取り組む個人、団体を表彰するもの。具体的な支援事業の実施に留まらず調査研究、情報発信、また、マラリアという言葉の認知率向上のためのアイデア作りなどに取り組む個人など、マラリアに関わるあらゆる分野の個人、団体を対象に、2014年に特定非営利活動法人Malaria No More Japanによって設立されました。
仕様:B6判 ソフトカバー 194ページ
発行:南山舎
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