自然の霊性に共鳴する身体
「八百万の神」をテーマに聖なる空間で踊るダンサーと『来夏世』の写真家による石垣島でのフォトセッション。
八重山の自然に宿る霊性に共鳴し、ダンサーは己が思想と感情を身体で表現した…。
日独における舞踊芸術の比較や独自の「空(くう)」の哲学についての論考も所収。
ドイツ語、日本語併記。
◆ 岩の叫び
◆ 樹霊
◆ 花の滴
◆ 夜空の果て
◆ 水と祈る
◇ 「空」感じること (文:Apo-K Vonhimikost)
ドイツ語への翻訳は、劇作家・平田オリザ氏原作によるオペラ作品の翻訳を手掛けたDorothea Gasztner氏。
日本とドイツの手工業の国際文化交流を目的にした手工業品展「日本がラインランドフェルツ州と出合う」(主催:ラインランドフェルツ州手工業組合)が、4月5日から5月5日までの1カ月間、ドイツ、ラインランドフェルツ州の都市、コブレンツの「ギャラリーハンドベルグ コブレンツ」で開催された。石垣市在住の大森一也氏(石垣島写研会長)が、ダンサーのApo-K Vonhimikost氏とコラボレーションし、4月1日にドイツで出版されたばかりの写真集『Wasser: die Erinnerung(水の記憶)』と、写真作品10点も展示された。
展示はドイツの作家10名のほか、ドイツ国内でも有名な日本でも最高度の技術を持った作家9名が選ばれた。出展作品は、寄せ木細工、根付け、能面、着物、写真、陶芸、ちぎり絵など多岐にわたり日本文化や手工業に興味をもつ人々が高い関心を寄せ、本物の作品に触れることで文化の違いがよく感じ取れる、と好評を博した。コブレンツでは3回目となる同展覧会でも沖縄の作家が紹介されるのは今回が初めて。ダンサーと石垣島の自然が溶け合った大森氏の写真作品には「島の風とエネルギーを感じた」などの感想が寄せられた。
オープニングレセプションでは、在フランクフルト日本国総領事館から祝辞が述べられ、Apo-K Vonhimikost氏のダンスパフォーマンスも行われた。日本の作家を紹介したオーガナイザーのKurt Heinz氏は、「ラインランド州にはドイツで一番大きな日本庭園があり、手工業組合の会員は800名いる。皆、日本に興味があり、今回の展覧会は同じ素材でも国によって表現方法が異なり、その二つの違いを感じてもらえた。他の国の文化を知ることで自国の文化もさらに深く見える。素晴らしい機会だった」と述べた。
(写真提供:ラインランドフェルツ州手工業組合)
著者/文 Apo-K Vonhimikost/写真 大森一也
発行/2019年4月1日(ドイツ)
本仕様/B5判変形 上製本 128頁
版元:Herbert-Jurgen Welke Verlag, Freiburg i.Br.
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